木造2階建住宅
敷地面積:234.39m2
延床面積:142.42m2
本体施工床坪単価:約60万円
施工:(有)旗持社寺工務店
今日は東京都青梅市のフレミング様邸にお邪魔しました。「自然の恵みである木を使った家に暮らせて、幸せを感じていま す」と語るフレミング様。
ご両親は50年前にアジアへこられた宣教師、奥様も教会の立ち上げにご尽力されている素敵なご一家です。
■ フレミング様のご紹介


グラハム・フレミングさんはアーティスト
― こんにちは。今日はどうぞよろしくお願いします。まずは素敵なフレミング様ご一家 についてご紹介ください。

グラハム・フレミングです。職業は、イラストレーター兼アニメーションディレクターです。子供の心のケアを目的としたカウンセリングプログラムの一環で、 CGアニメーションを制作しています。
愛する家族は、妻と3人の息子たちです。今日は、宣教師である両親も、コロラドから遊びに来ているんですよ。



ご両親は50年前にアジアに渡られた宣教師。ご家族はいつも笑顔でいっ ぱいです。



■ フレミング邸 ― 自然素材にこだわった「健康で幸せになれる家」

― それではフレミング様のお宅をご紹介ください。

2009年の6月に竣工しました。この家は、「オリーブハウス」と名づけました。神様によってしっかりと根を張り、家族の成長と地域への貢献を願うという思いをこめています。
すばらしい家を建ててくださったジョイ建築設計事務所に出会えたことを、本当に感謝しています。


 外観



この家は、科学的な物質はほとんど使っていません。
もともと、妻はペンキのにおいもダメなほど化学物質に過敏でした。子供達のためにも、自然素材の家を建てることに決めました。外壁は 火山灰でできた「そとん壁」、内壁は「珪藻土」、そして断熱材は「セルローズファイバー」を使用しました。
テラスのパーゴラ(ぶどう棚)は、僕がデザインしました。ガーデニングが趣味なので、これからたくさん植物を植えていきた いと思っています。駐車スペースのコンクリートには、家族で手形やメッセージを描き込んだんですよ。


 ダイニングキッチン


家族の団欒の場所です。
木のぬくもりと風通しのよさが気に入っています。ここで賛美歌を歌ったりもします。


 ワークスペース


僕は、ロフトに作った自分の部屋が気に入っています。僕は外国人ですが、日本が大好きなんです。ここに座っているととても落ち着きます。


 子供たちのスペース


長男は幼稚園に通わせましたが、やはりできれば子供たちはホームスクール(自宅学習)で育てようという方 針になり、そのためのスペースを作りました。男の子3人があばれまわっても広々としていて安心です。


 トイレ・洗面所


この家のすべてを気に入っていますが、2階のトイレは特にいいなと思っています。ダブルシンクで、朝の忙しい時間帯でも家族でわいわいとすごせます。ドア のステンドグラスは、ジョイ建築設計事務所の寺田さんのご提案で、僕がデザインし、ステンド作家の牧野光代さんに作っていただきました。オリーブがモチー フになっています。



■「家族みんなが楽しんで暮らせる家になったことが、本当にうれしく思います」

― 家を建てられたご感想をお聞かせください。

この家は、神様のお導きによって建てられたのだな、と本当に思うんです。私たち夫婦だけではなく、いろんな方が下さるアドバイス、大工さんの技術で作られ たもの…そのすべてが、私たちが思った以上に、私たちにぴったりフィットしていました。

僕はアーティストなので、あれこれと懲りたいタイプなのですが、出来上がった今、「ここをやっぱり変えたい」と思うような部分はひとつもありません。細部 にいたるまで、すべてが気に入っています。
建てる前は、いろんな家を見て「ああいうのがいい」「こういうのがいい」と夫婦で話していました。でも、今はこの家が最高です。ほかの家にはまったく目がいかな くなりました。
家族みんなが楽しんで暮らせる家になったことが、本当にうれしく思います。

完成するまでには大変なことがたくさんありました。
家を建てるということは、夢がたくさんあってすばらしいことなのですが、それ以上に困難が多く、 一時は「もうやりたくない!」なんて投げ出しそうになったこともあったんですよ。



■「家族それぞれの思い描くイメージはばらばらで、まとめあげることが大変でした」

― 家を建てるにあたって、どういったところが大変だったのですか。


家族それぞれの思い描くイメージがばらばらで、それをまとめあげることが大変でした。
僕は、コンクリート打ちっぱなしのモダンな家に強くあこがれていました。それに対して、妻は、ペンションのようなリゾートハウスを夢見ていました。別荘のように、余計なものがない家です。
そして、妻のご両親は、日本の方ですから、やはり和風で、昔ながらの「家相」を重んじていました。
購入した土地が、建築条件付き物件だったので、はじめはその条件通りの工務店で、話しを進めていました。でも、うまくいきませんでした。

― なにがうまくいかなかったのでしょう か。

意見があっていないのですから当然ですが、納得のいかないまま、話だけがどんどん進んでいってしまったのです。
僕の意見も、妻の意見も、ご両親の意見もよく聞いて、それらを取り入れ、コンピューターで間取り図等を作ってみせてくださり、「どうにでもできます」とは言ってくだ さったのですが、その「どうにでもできる」が、実際に生活をするにあたってベストなのかどうかがわからない。
私たちは家作りの専門家ではありません。いくら希望がかなうと言っても、それで本当にいいのか…。
不安なまま、大金をかけて着工することはとてもできませんでした。妻は「もう家なんか建てられない!」と失望してしまうほどでした。



■「家族の喜びを理解してくれる、確かな信仰と技術を持つ方に依頼したい」

― 最初のハウスメーカーとの家作りに行き詰まり、その後どのように解決されたのですか。

妻が、聖書を読みながら祈りをささげていたとき、イスラエルの神の宮についての記事を見つけました。
「神の宮を建て るのなら、信仰に厚く技術のある職人が働かなければならない。その宮は神のものなのだから、神が建てるのでなければ、建てる者の働きはむなしい」
そんな内 容でした。
はっとしました。せっかく家を建てても、家族が分裂して、家庭がうまくいかなくなってしまっては意味がありません。私たち家族の喜びを理解してくれる、確か な信仰があり、確かな技術を持つ方に依頼したい…。
そうして、もう一度、家作りの専門家を探すことにきめ、出会ったのがジョイ建築設計事務所の寺田さんでした。 さっそくお電話をしてお話をしました。とても印象的な出会いでした。

― ジョイ建築事務所の寺田さんとの出会いはなにが印象的でしたか。

穏やかに、じっくりと話を聞いてくださり、まるで「いのちの電話」のようでした。
いきなり料金を請求するのではなく、まずは無料で私たち家族の家作りについて、カウンセリングをしてくださいました。時間をかけてゆっくりと、私た ちが自分で整理しきれていない頭の中の悩みを整理してくださったのです。
私たちのネックになっていたのは、国際結婚というバックグラウンドでした。クリスチャンという同じ信仰を持っていても、育った文化や環境、両親たちの希望は異なる、という現実。寺 田さんは、これをすべてわかってくださる方でした。
ホームページで、寺田さんの自然素材を使った家作りに対するお考えや、教会をたくさん建ててこられた実績も拝見しました。ああ、この方なら安心してお任せ できる、そう思えたんです。



■「寺田さんは、私たち家族のばらばらな思いを、ひとつにしてくれました」


― ジョイ建築事務所に依頼して、家作りはどのようにすすんでいきましたか。


家族の意見をまとめるために、まずは、どういう順番で何を考えればよいのかを寺田さんに整理していただきました。
意見が割れたときには、誰かひとりの思いだけで動いてしまわないように、必ずほかの家族の意見を聞くように、アドバイスをしていただきました。意見を通すところ、抑えるべきところ、それを冷静に考えられたのは、寺田さんのおかげです。

とくに、私 の両親に対する気配りには感謝しています。
私の両親が重んじている、風水や方位学についても真剣に受け止めてくださり、両親が納得するまで家相を確認してくださいました。
家族それぞれの希望、喜びを理解してくださり、ばらばらな思いをひとつにしてくれました。



■これから家を建てる方へのアドバイス 「建てるなら、日本の風土にあった家を」


和室ではおじいちゃんと子供達
がDVD鑑賞中でした
― これから家を建てる方へのアドバイスなどがあればお聞かせください。

デザイン性も大切ですが、やはり住まいですから、なによりも日本の風土や気候にあった家を建てることが大切だと思います。
最初、コンクリート打ちっぱなしの家をイメージしていたとき、寺田さんがおっしゃいました。
「僕もデザイナーですからコンクリート打ちっぱなしの魅力はわかります。でも、人間は、自然の素材に囲まれた家のほうが、健康に生きられる。それに、日本 の風土や気候にあわせた家を建てることはとても大切です」
日本は、湿気が多い。理想は木の家ではないでしょうかと寺田さんに教えていただいて、はじめて知りま した。
設計にも湿気対策のために、風通しをよくする工夫をしていただきました。
家族みんなが幸せに、そして健康に暮らせる家を、真剣に考えて建ててくださったと思います。



■メッセージ

― ジョイ建設設計事務所へのメッセージをお願いいたします。

寺田さんは、私たちが途方にくれているときに神様が送ってくださった助けだと思います。
建築士であり、カウンセラーでもある寺田さんの助けがなければ、こ の家はできませんでした。本当に感謝しています。これからも、ぜひ素晴らしいお仕事をなさってください。


フレミングご夫妻様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。




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※ 取材日時 2009年11月
※ 取材制作:カスタマワイズ